ホンダ・プレリュード全史 2026

ホンダ・プレリュード全史:初代から6代目(現行)まで
【レポート概要】
プレリュードは、ホンダが1978年に送り出した「スペシャリティカー」の代表格です。美しいクーペスタイル、当時として先進的な装備、そして世代ごとに異なる技術的な挑戦が魅力でした。2代目・3代目は「デートカー」の象徴となり、4代目・5代目では本格スポーツクーペへ進化。2001年に一度生産を終えた後、2025年にハイブリッドの6代目として復活しています。<<1>><<2>>
※歴代の価格は、年式・改良時期・地域・オプション・消費税率で変わります。以下の旧型価格帯は当時の国内新車価格のおおよその水準です。
6代目:BF1型(2025年~)
位置づけ
24年ぶりに復活した新型プレリュードです。従来の2ドアノッチバッククーペから、リアハッチを備える3ドア・ファストバックへ変更。日常での使いやすさと、スペシャリティスポーツらしい走りを両立させるモデルになりました。<<2>>
パワートレーン・走り
- 2.0L直列4気筒エンジン+2モーターのe:HEVハイブリッド
- FF駆動
- エンジンとモーターを協調させ、主にモーターで走るホンダ独自のハイブリッド方式
- Honda S+ Shiftを搭載
- モーター駆動でありながら、仮想8段変速のような変速感を演出
- 加減速時の音、回転感、変速フィールを制御して、スポーツカーらしい高揚感を狙った仕組み
- 新開発の制御により、滑らかさとダイレクト感の両方を追求
グレード・価格帯
日本では基本的に単一グレードを軸に展開されています。
- プレリュード:約618万円から
- 参考価格:6,179,800円(税込)の設定が確認できます。<<4>>
主な装備・機能
- Honda SENSING
- 衝突軽減ブレーキ
- 渋滞追従機能付きアダプティブ・クルーズ・コントロール
- 誤発進・後方誤発進抑制
- 車線維持支援など
- Google搭載のHonda CONNECTディスプレー
- Google マップ
- Google アシスタント
- Google Play対応
- BOSEプレミアムサウンドシステム
- 専用スポーツシート
- テールゲートを備えた実用的な荷室
- 現代的なコネクテッド機能と運転支援機能
人気・注目ポイント
- 「プレリュード復活」そのものへの話題性
- ハイブリッドでもスポーツ感を重視したHonda S+ Shift
- 低くワイドなボディと、先代までのイメージを現代風に再解釈したデザイン
- クーペらしいスタイルと、ファストバックによる荷室の実用性
- 安全・快適装備が充実しており、旧型とは異なる「大人のスペシャリティカー」として選びやすい点
Honda公式は、新型を「スペシャリティスポーツハイブリッド」と位置づけています。<<2>><<5>>
5代目:BB5/BB6/BB7/BB8型(1996年~2001年)
位置づけ
5代目は、プレリュードのスポーツクーペ路線を完成形に近づけた世代です。ボディは再びやや大柄になり、シャープで低いフロントノーズと、張りのあるフェンダーラインが特徴でした。
特に高性能グレードのType Sは、ホンダの前輪駆動スポーツ技術を語るうえで重要なモデルです。
主なグレード
- Xi
- Si
- SiR
- Type S
年式や特別仕様車により、装備・名称に差があります。
エンジン・走行性能
- 2.2L直列4気筒
- VTEC搭載仕様を中心に展開
- SiR:最高出力約200PS級
- Type S:最高出力約220PS級
注目技術:ATTS
Type Sには、世界初とされるATTS(アクティブ・トルク・トランスファー・システム)を搭載しました。<<1>>
これは旋回時に左右前輪への駆動力配分を制御し、前輪駆動車で起こりやすいアンダーステアを抑え、コーナー出口でより自然に加速しやすくする技術です。後のホンダのトルクベクタリング技術や、SH-AWDにつながる発想の源流としても重要です。
当時の価格帯
- おおむね200万円台前半~300万円台前半
- Type Sはシリーズの上級・高性能グレードで、300万円前後の価格帯が中心
主な装備・特徴
- VTECエンジン
- 4WS設定
- ATTS
- 運転席・助手席エアバッグ
- ABS
- 本革巻きステアリングやスポーツシート
- 上級オーディオ、サンルーフなどのオプション
人気ポイント
- Type Sの220PSエンジンとATTS
- 最終型プレリュードとしての希少性
- 比較的コンパクトで、現代でも運転しやすいサイズ感
- 低い着座位置、見切りの良いボンネット、素直なハンドリング
- チューニングベースとしても人気
中古車市場では、特にType S、低走行車、純正状態を保った車両の評価が高くなりやすい世代です。
4代目:BA8/BA9・BB1/BB4型(1991年~1996年)
位置づけ
4代目は、3代目までの「都会的なデートカー」から、より明確にスポーツクーペへ方向転換した世代です。
先代よりワイド&ショートなプロポーションとなり、丸みを帯びながらも踏ん張り感のあるスタイルが特徴です。Honda公式も、4代目を「スペシャリティとスポーツを追求した」モデルとしています。<<1>>
主なグレード
- Si
- Si 4WS
- Si VTEC
- Xi
- Xi 4WS
- VTEC系グレード
グレード名称やエンジン設定は、前期・後期で変化があります。
エンジン・走行性能
- 2.0L直列4気筒
- 2.2L直列4気筒
- VTEC搭載エンジンを設定
- 2.2L VTECは最高出力約200PS級
自然吸気エンジンを高回転まで回して楽しむ、当時のホンダらしさが濃いモデルです。
主な装備・機能
- 電子制御4WS
- VTEC
- ABS
- エアバッグ
- 電動サンルーフ
- スポーツシート
- 上級オーディオ
- オートエアコンなど
3代目の4WSは機械式でしたが、4代目ではより進化した電子制御式4WSを採用しました。低速では小回り、高速では安定性を高めることを狙ったシステムです。<<1>>
当時の価格帯
- おおむね180万円台~300万円台前半
- VTEC・4WS・上級装備車は高価格帯
人気ポイント
- VTECによる高回転域の気持ちよさ
- ワイドでスポーティなスタイリング
- 4WSによる独特の旋回感
- セリカ、シルビア、インテグラなどとは異なる「FFスポーツクーペ」としての個性
- 4WSとVTECを組み合わせた、技術志向の強さ
3代目:BA4/BA5/BA7型(1987年~1991年)
位置づけ
3代目は、プレリュード人気が最も社会現象的に高まった世代の一つです。流麗で低いボディ、リトラクタブルヘッドライト、先進的な4WSにより、1980年代後半の「デートカー」ブームを代表する存在になりました。
主なグレード
- Si
- Si 4WS
- XX
- XL
- InX系グレード
- 特別仕様車
エンジン・走行性能
- 2.0L直列4気筒
- 高性能Si系を中心に展開
- 最高出力はおおむね110PS台~145PS級
世界初の機械式4WS
3代目最大の特徴は、量産乗用車として世界初とされる機械式4WS(四輪操舵)です。<<1>>
前輪だけでなく後輪も操舵することで、以下を狙いました。
- 低速時の小回り性
- 車庫入れなどでの取り回し
- 高速レーンチェンジ時の安定性
- コーナリング時の自然な旋回感
電子制御ではなく、ステアリング操作と連動する機械式だった点が技術的な特徴です。
主な装備・機能
- リトラクタブルヘッドライト
- 4WS
- 4輪ABS
- 電動サンルーフ
- デジタルメーター設定
- オートエアコン
- 上級オーディオ
- パワーウインドウ、集中ドアロック
当時の価格帯
- おおむね160万円台~250万円台後半
- 4WS、Si、豪華装備車は上級価格帯
人気ポイント
- 「プレリュード=デートカー」というイメージを決定づけたモデル
- 低いノーズとリトラクタブルライトによる未来的なデザイン
- 4WSという分かりやすい先進技術
- バブル期の華やかさを象徴するクーペ
- 現在は1980年代スポーツクーペとしてのノスタルジー人気
2代目:AB型(1982年~1987年)
位置づけ
2代目は、初代の上品なスペシャリティカー路線を、よりスポーティかつ近未来的に発展させたモデルです。プレリュードの知名度を大きく高めた世代であり、日本のFFスペシャリティカーを代表する存在となりました。
主なグレード
- XL
- XR
- XX
- Si
- 4WS以前のスポーティグレード群
年式によってグレード体系は変わりますが、後期のSiは特に人気があります。
エンジン・走行性能
- 1.8L直列4気筒
- CVCCエンジン
- 後期にはDOHCエンジン搭載のSiを設定
- Siは最高出力約125PS級
当時の1.8Lクラスとしては高性能で、ホンダらしい高回転志向を感じさせるモデルでした。
主な装備・機能
- リトラクタブルヘッドライト
- 低いボンネット
- 4輪ABS
- 電動サンルーフ
- デジタルメーター
- 電動ミラー
- パワーウインドウ
- 上級オーディオ
- スポーツシート
Honda公式も、2代目の特徴としてリトラクタブルヘッドライト、低ボンネット、4輪ABSを挙げています。<<1>>
当時の価格帯
- おおむね130万円台~220万円台
- Siや豪華装備車は上級価格帯
人気ポイント
- 初代より大幅にスポーティになったデザイン
- リトラクタブルライトの象徴性
- FF車でありながら走りを楽しめるキャラクター
- 後期SiのDOHCエンジン
- 1980年代らしいデジタル装備とインテリア
初代:SN型(1978年~1982年)
位置づけ
初代プレリュードは、1978年に登場しました。ホンダにとって本格的なスペシャリティクーペであり、シビックやアコードとは異なる、スタイル・快適性・先進性を重視したモデルでした。<<1>>
ボディは2ドアノッチバッククーペ。比較的小型ながら、低いボンネット、広いガラスエリア、上品な内外装を備えていました。
主なグレード
- XT
- XE
- XR系
販売時期によりグレード構成には違いがあります。
エンジン・走行性能
- 1.8L直列4気筒CVCC
- 最高出力は約90PS級
- 5速MTとホンダマチックを設定
CVCCは、低公害性能を高めるためのホンダ独自技術です。排出ガス規制への対応力が高く、当時のホンダの技術力を象徴していました。
主な装備・機能
- 電動サンルーフ
- パワーステアリング
- パワーウインドウ
- エアコン
- AM/FMラジオ、カセットオーディオ
- ルーフ形状に沿って採光面積を大きく取ったガラスサンルーフ
初代の大きな話題は、国産車として早い時期から採用された電動サンルーフです。Honda公式も初代の特徴としてCVCCエンジンと電動サンルーフを挙げています。<<1>>
当時の価格帯
- おおむね110万円台~160万円台
- 上級グレードやオプション装着車はより高額
人気ポイント
- 国産スペシャリティカーの先駆者
- 当時としては豪華な電動サンルーフ
- 低く美しいクーペスタイル
- 実用車とは別に「趣味性の高い車を持つ」文化を広げた存在
- 現在は希少な旧車として価値が高い
世代ごとのキャラクターまとめ
- 初代:上質なスペシャリティカーの始まり
- 2代目:リトラクタブルライトで一気にスポーティ化
- 3代目:4WSとデートカー人気で大ブレイク
- 4代目:VTECを軸に本格スポーツクーペへ転換
- 5代目:Type SとATTSでFFスポーツ技術を深化
- 6代目:e:HEVと先進装備で現代的スペシャリティスポーツに再誕
どの世代が人気か
用途や好みで分かれます。
- 旧車としての歴史性・希少性重視:初代、2代目
- バブル期らしいデザインとデートカー文化:3代目
- VTECらしい高回転NAスポーツ感:4代目
- 走りの完成度・Type S・ATTS重視:5代目
- 安全性・燃費・日常性・新車保証を重視:6代目
とくに中古車趣味の世界では、3代目の4WS、4代目のVTEC、5代目Type Sが、プレリュードらしい技術の節目としてよく注目されます。一方で、新型6代目は、従来の「軽量・高回転NAクーペ」とは違い、ハイブリッド時代におけるプレリュード像を提案するモデルです。<<1>><<2>><<5>>
〔主な出典:Honda公式「時代を先駆けてきたスペシャリティクーペ、PRELUDE」・更新日記載なし、2026年8月31日参照。<<1>>/Honda公式「PRELUDE 歴代モデル紹介」・更新日記載なし、2026年8月31日参照。<<2>>/Honda公式「タイプ・価格」・更新日記載なし、2026年8月31日参照。<<5>>〕

